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転職して8ヶ月経ったが、今更ながら「転職エントリ」とやらを書いてみる

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Pexels.comより引用

新卒3年目である2019年11月に転職をしてから8ヶ月程経ちました

いわゆる、「転職エントリ」というものは転職が決まった直後であったり、実際に退職をするあたりで書かれることが多いように思いますが、転職して8ヶ月という今更感半端ない転職エントリというものを書いてみます

(転職して半年くらいで書ければな〜とは思っていたのですが、いつの間にこんな時期になっていました笑)


なぜ今更転職エントリを書こうと思い立ったかというと、理由は主に2つあります

  • 転職に至った動機・目的を振り返ることで、その目的を達成できているか(できそうか)を確認したかったから
  • 単純に時間が経つとなぜ自分が転職をしたのか忘れてしまいそうだったから


今回は、

  • なぜ転職をしようと思ったのか
  • どのような軸で転職活動をしていたか
  • 転職してみて自分の求めていたことが実現できているのか

について書いていきたいと思います。

なぜ転職活動をしようと思ったのか

私は新卒でいわゆる大手SIerと呼ばれる企業に入社し、機械学習関連の新規事業を立ち上げる部署でエンジニアとして働いていました。

その部署では、ビジネスアイデアを考え、プロトタイプの実装をし、それに価値があるかを確かめるためのPoCを行うということをやっていました。

SIerの会社とは言いつつも、理不尽にレガシーな言語で書かなければいけなかったり、、、(以下略)ということはほとんどなく、言語やライブラリなどの技術選定も自分たちで行い、ドキュメントよりも動くものを優先するといったように、割と自由にプロダクトを開発をさせてもらっていました。

人間関係も非常に良く、働くのは非常に楽しかった思い出があります。


しかし働くのが楽しい反面、勉強会などで社外のエンジニアの方々と交流することが増えてきた際に、エンジニアとしてすごい人たちが世の中にこんなにいるのかと痛感しました。そこで、自分はこのまま今の会社にいて、この人たちに追いつけるのかという"もやもや"とした感情を持つようになりました。

当時いた会社のエンジニアは、エンジニア→マネージャーというキャリアパスが一般になっており、割と早い段階から"中間管理職としてのマネージャー"としてのスキルが重視されるような環境だったため、今後5年くらいのスパンで見たときに、純粋にエンジニアとしての技術力を伸ばすのには向いていないのではないかと漠然と思うようになりました。

そこで、自分がエンジニアとしてどんなスキルを身につけたいかを改めて考え直すことにしました。どういうスキルを身につけたいかを明確にすることで、今の会社に残るべきか・転職するべきかをはっきりさせることができると思ったからです。


そこで自分なりに考えてみた結果、エンジニアとして主に2つのスキルを身につけていきたいと思いました。

  • プロダクト・事業を推進するために最適な技術選定をし、素早くプロダクトに還元できるスキル
  • プロダクトのユーザー体験を良くすることや、マーケットの需要を満たすプロダクトとは何かを常に考えながら、素早くプロダクトを実装するスキル

1つ目に関しては、新しい技術を日々キャッチアップし、プロダクトに合わせて技術選定を行えるような環境だったので、このまま当時の会社にいても身につけることはある程度できるなとは思いました。ただし、長い間同じ部署にいることはほとんどないような会社だったので、長い目で見ると微妙かなという感じでしたが、、

2つ目に関しては、プロダクトを改善→ユーザーのフィードバックをもらう→フィードバックをもとにプロダクトを改善→ ...というトライ&エラーを繰り返すことで得ることができるものだと思うのですが、SIerという業界の構造上それを実現するのは難しいのではないかと思うようになりました。SIerのようにクライアントが使用するシステムの開発をするよりも、自社でプロダクトを持っている企業の方がエンドユーザーのフィードバックをもらいやすく、プロダクト開発の自由度が高いためトライ&エラーのサイクルを早く回せると思ったからです。

そこで、この2つのスキルを伸ばしていくために、自分にとってより良い環境があるのではないかと思い本格的に転職活動を開始することにしました。

どのような軸で転職活動をしていたのか

続いて、上に書いたような転職の動機を踏まえた上で、実際にどのような軸で転職活動をしていたかについてお話しします。主に4つの軸で転職活動をしていたので、1つ1つ説明していければと思います。

自社でプロダクトを持っている企業か

こちらは先ほども書いたように、自社でプロダクトを持っている企業の方がプロダクトに対する決定権や自由度が大きいため、プロダクトの改善→フィードバック→更なる改善が行いやすく、トライ&エラーの回数が増えることで、自分が身につけたいスキルを早く身につけられるだろうという理由です。

フロントエンドエンジニア、バックエンドエンジニアみたいな職種ごとの境界が曖昧か

ここを軸にしたのは大きく理由が2つあります。

まず1つ目は、ソフトウェアエンジニアリングに関する幅広い技術に触れるのが楽しかった・自分に合っていると感じたというのがあります。

当時いた会社ではデータの前処理などを含めた機械学習モデリングから、プロトタイプ作成のためのフロントエンド/バックエンド実装をチーム内の誰もができるようにやっていました。チーム内で得意不得意はあれど、それぞれがお互いの得意を補完し合って1つのプロダクトを作り上げていくのがとても楽しかったという体験が非常に大きかったのかなと思います。

(あとは、誰にも負けない得意分野を作れるわけではないけど、大体平均点近く取って総合力で勝負するという自分の性格にも影響を受けているのかもしれません)


2つ目は、「良いプロダクトとは何かを常に考え、素早く実装するスキルを身につける」という観点からは、今の段階でフロントエンド/バックエンドなどのどこかの専門領域に狭めることは、リスクだと感じたためです。

(ここで言っている良いプロダクトというのは、「ユーザーを幸せにでき世の中にインパクトを与えるプロダクト」くらいのざっくりとした認識で聞いてもらえればと思います)

良いプロダクトを作るためには、フロントエンドもバックエンドも機械学習も手段の1つでしかなく、その手段を多く持っている方が良いプロダクトを作る確度を高めることができるのではないかと感じていました。

そこで、特に職種を分けて募集せず「エンジニア」という枠で募集している企業、もしくはそこらへんの職種の境界が曖昧な企業を中心に探すことにしました。


エージェントの方との面談や企業の方とのカジュアル面談で話をしていくうちに、1000人近くの規模の会社になると職種が別れていることが多く、数十人程度の会社になるとエンジニアは何でもやるけど、まだプロダクトにデータが溜まっておらず、当時自分の中では得意だった機械学習の知識がフェーズ的に使えないという感覚を持ったので、100~200人程度の企業を中心に探していました。(必ずしも企業規模で測れるものではありませんが、目安として)

プロダクトが好きか・共感できるか

日々の開発の中ではどのようにコードを実装するかとか、どのような設計にするかのような目の前のことで頭がいっぱいになりがちですが、ふと目線を上げたときにこのプロダクトってどうやってユーザーを幸せにしようとしてるんだっけとか、どんなインパクトを社会に与えたいんだっけって考えることがあると思います。

そのときに、「あ、こういう世界を実現したいんだった。こんな世界になったら面白いな」と思えることで自分のモチベーションが上がるタイプなので、ここは割と重要なポイントでした。

逆にプロダクトが好きではないと、モチベーションが上がらず、こういう風にプロダクトを変えていきたいとかも心から思えないので、働いていて楽しくないと思いますし、良いパフォーマンスが発揮できないと感じています。

会社のビジョン・ミッションに共感できるか

最後のポイントですが、ここが一番大事だったかもしれないです。

プロダクトが好きで共感できたとしても、会社としてのミッションに共感できないと自分が楽しく働けなくなるリスクが大きいと感じたためです。

プロダクトのピボットがそのリスクの1つだと思います。たとえ入社した時のプロダクトが好きだったとしても、ピボットした後のプロダクトが好きだとは限らないからです。プロダクトのピボットというのは通常、会社のミッションを軸に行われるものなので、逆に会社のミッションに共感できていれば、ピボットした後のプロダクトにも共感して携われると思っています。

もう1つのリスクは、開発するプロダクトが1つとは限らないということです。これも同様に、プロダクトが何個に増えたとしても、会社のミッションという軸から派生してくるものなので、程度の差はあれどどのプロダクトにも共感して携われると思っています。

以上の4つの軸を基に転職活動をし、無事第一希望のスタートアップ企業からオファーをいただくことができました。

実際に転職活動でどういう動きをしていたかについては、別の記事でまとめられればと思います。(書く気が起きればですが笑)

転職してみて自分の求めていたことが実現できているのか

実際に転職をして9ヶ月ほど経ったので、転職して自分の求めていたことが実現できているのか/できそうかについて、簡単に話せればと思います。

転職当初自分が伸ばしていきたいスキルはこの2つでした。

  • プロダクト・事業を推進するために最適な技術選定をし、素早くプロダクトに還元できるスキル
  • プロダクトのユーザー体験を良くすることや、マーケットの需要を満たすプロダクトとは何かを常に考えながら、素早くプロダクトを実装するスキル

結論から言うと、現在の仕事で得られるものと概ね方向性は合っており、自分が成長できているなという実感を持つことができています。

特に、開発のスピードが求められるような組織・業界なので、「考えながら素早く実装するスキル」は前よりは成長しているなという実感を持っています。

さらに、一機能をどうするかみたいな話だけでなく、もう少し大きいプロダクトとしての方向性はどうするかというところにも少し携わらせてもらっているので、良い意味で自分が見えていなかったスキルもたくさん見えてきていて、とてもワクワクしています。

一緒に働いているエンジニアの方々は、自分が到底及ばないと思ってしまうほど非常に技術力が高いので(他の能力ももちろん高い)、正直なところ劣等感に苛まれてしまうこともありますが、人と比べるのではなく、過去の自分からどれだけ成長できているのかということに目を向けるようにすることで、刺激的かつ楽しく日々を過ごせています。

まとめ

長々となりましたが、どういう考えのもと転職活動をしたのか、転職してみて実際どうだったかということが少しでも伝われば幸いです。

これは転職活動をしていた当時から現時点にかけての価値観や考え方なので、今後変わっていく可能性もありますが、こんな考えをしている人もいるんだな〜くらいの感じでと見てもらえると嬉しいです。